バワルカールのドゥルパド

北インドの古典音楽ドゥルパドをはじめて生で聞いた。場所は杉並公会堂の小ホール。きっかけは2016年に一緒にニュピに行った亜矢子さんからのお誘い。バリ島でドゥルパドの話をした。

「どんな歌を習っているの?」
「インドの古典音楽」
「どんな音楽なの?」
「うまく言葉では言えない」

バリ島から帰ってきてしばらくしたらメールが来て、そこにYouTubeへのリンクがあった。それが僕のドゥルパド初体験。倍音声明に似ているなと思った。後日知ったのは、ドゥルパドがヨーガの際におこなった瞑想から発達したものだということ。それが次第に人気を得て、宗教儀式などに取り入れられ、次第に音楽へと独立していったのだとか。一時期衰退したが、昨今のスピリチュアルブームで再発見され復活してきたそうだ。

ここにその送ってもらった映像がある。

昨日のコンサートでは、亜矢子さんがPt・ウダイ・バワルカールのうしろでシタールを演奏していた。

はじめて聞いた生演奏はこんな雰囲気だった。
シタールの響きで始まり、そこにゆったりとPt・ウダイ・バワルカールの声が加わる。しばらくはシタールと声の響きに身を任せる。からだがそれらの響きに慣れてきた頃、次第にテンポが速くなる。が、パカーワジと呼ばれる太鼓はまだ加わらない。歌とシタールでいいリズムになっても、パカーワジの奏者シュリ・プラタープ・アワードはパカーワジを気にして触ったりしているが、演奏はしない。「もうそろそろ加わればいいのに」と思う盛り上がりがあってもまだ演奏しない。じらされてじらされて、「ポン」と鳴ったときの喜び。「なるほど」と思った。あとはシタールとパカーワジ、そしてPt・ウダイ・バワルカールの世界創世を思わせるかのような歌が織りなされていった。

自然とからだが反応して、歌いたくなったし、踊りたくなった。

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