体操女子・パリ五輪代表の宮田笙子選手(19)が「喫煙と飲酒行為が発覚した」ため代表を辞退したという報道に、あまり興味は持てなかった。僕は宮田さんをまったく知らないし、体操に格別の思い入れもなかったから。
でも、このデイリー新潮の記事を読んで、違うなと思った。何が「違うな」と思ったかを書く。
そうそうたる有名人が「宮田笙子は五輪に出場すべき」とXに投稿してもネット世論は完全無視 謎を解くカギはビートきよしの投稿にあった
この記事の最後に、結論のようにこのように書かれている。
ネット世論は『政治家のほうが悪いから微罪の宮田選手を許そう』ではなく、『政治や飲酒運転など、馴れ合いだらけで全てをうやむやにする日本社会で、宮田選手の件だけは正義が実現した』と歓迎しているのです。ルールを破った人が正しく裁かれたと感じ、憂さを晴らしている状態だと言えるかもしれません」
デイリー新潮
確かにネット民の中にはうさを晴らすために「宮田選手の件だけは正義が実現した」と思う人もいたかもしれないけど、多くは違うのではないかと思う。
あの記事を読んでいただくとわかるのですが、宮田選手がどう感じているのかがほとんど何も書かれていません。その裁断が降りたとき、「宮田選手はそれでも日本体操チームを応援している」というような記事をどこかで読みました。それは、僕も本当かどうかはわかりませんが、本当だとしたら、尊重してあげるべきでしょう。
有名人がいくら「あの程度なら許してやるべき」と言ったとしても、本人が「確かに悪いことをしました。代表から降ります」というなら、降ろしてあげるべきだと。
何度も言いますが、本当のことを僕は知りません。宮田選手がどう思っているかも、日本体操協会がどうしてそのような裁定を下したのかも。でも、宮田選手が日本人の美学をきちんと備えている選手だとしたら、「代表から降ります」と言っても不思議ではないし、本人がそれを望むなら、そのようにしたほうがいいのだと思います。
宮田選手は、「日本代表選手になる重み」を知っているのだろうと思います。
どんなに人生を賭けて努力してきたとしても、「私は代表選手に相応しくないことをしていた」と思っているなら、それを尊重すべきだと思います。
宮田選手はまだ19歳だと聞きます。きちんと彼女自身が果たしたい禊ぎを果たして、四年後のオリンピックに出場してもらいたいと思います。そのときはじめて、日本の代表として花開くのではないかと思います。
日本人として、「最高の選手たちに出場してもらい、オリンピックで勝ってほしい」という気持ちはわかります。でも、宮田選手ご本人が「日本を代表する最高の選手とはどのような存在か」を具現化する場所としてオリンピックを見ているなら、そのようにしてあげるのが本人のためだと思います。
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