なぜモレスキンを使い始めたのか?

3つ前に書いた記事、『モレスキンのような手帳を使い続けること』がモレスキンのファンサイト、モレスキナリーに掲載されました。こちらです。とてもうれしかったので思わず『日刊 気持ちいいもの』にも書いてしまいました。

そもそもなんでモレスキンを使い始めたのかを思い出すと、大学生の頃がきっかけでした。もう30年ほど前になりますが、中国旅行に行きました。友達と四人で行ったのですが、そのときにずっと毎日の記録をとり続けていたのです。どこのレストランに入ったとか、どこでどんな事件が起きたとか。あとで読み返すととても面白かったのです。それをたまたま友達の知り合いが見て、その人が発行しているミニコミに原稿を書いてくれと頼まれたんですね。それが僕のライターデビューでした。大学三年の頃です。それ以来、旅に出るたびに記録を残し続けました。その頃はハンディなノートで、モレスキンというものは知らなかったのですが、旅に出ると書き物をする癖がつきました。

就職するとシステム手帳を使っていました。スケジュールのページ以外にも横罫のページを仕込み、そこに時々メモを書いてました。それがのちのち企画に役立ったりするのです。驚いたのは、先輩に頼まれてレコード会社のオーディションのようなものを聞きに行きました。先輩は別件の仕事があって行けなかったので、そこに書いたメモを元に報告書を作ったら、それがレコード会社に手渡されて、「一番素敵」と書いた人がデビューすることになったりもしました。

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鈴村真貴子ピアノリサイタル〜フランシス・プーランク没後50年によせて

鈴村真貴子さんのピアノリサイタルを銀座王子ホールで聞いてきた。プーランクの曲ばかりを演奏した。プーランクという作曲家の名前を聞いたことはあったが、実際に曲を聴くのはこれがはじめてだった。2013年1月30日は、ちょうどプーランクの没後50年目の命日にあたっていた。プーランクの没年月日は1963年1月30日。鈴村さんにとってはその日でなければならないリサイタルだったのだ。東京芸術大学大学院の博士号を「F・プーランクのピアノ作品演奏法」の論文とその演奏で取得している。ちなみに東京芸術大学大学院の修士課程では、ピアノ専攻主席修了者に与えられるクロイツァー賞を受賞している。

一曲目に弾いた『3つの常動曲』でその魅力に引き込まれた。凡庸なメロディーで始まるかと思いきや、そのメロディーが崩れていく。崩れては戻り、また崩れては戻り。その安定した不安定さが魅力だ。鈴村さんの演奏も微妙に揺れる。強弱が揺れ、テンポが揺れ、左右の均衡が揺れる。

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モレスキンのような手帳を使い続けること

ここ数年モレスキンを使い続けている。ときどきモレスキンのような手帳に浮気することもあるが、概ねモレスキンを使い続けている。使い続けてわかってきたことがある。それは書くことの大切さだ。いまさらと思うかもしれないが、最近実感するようになってきた。

以前はとにかく大切そうなメモをモレスキンに取っていた。しかし、最近は自分にとって大切そうな資料もそこに書くことにしている。たくさんの資料を読むとき、固有名詞や数字など、大切だけど忘れやすいものがある。それらをそこにまとめておくのだ。一度書くと、書くために考えるので忘れにくくなる。さらにもし忘れても手帳を見直せば概要がすぐに思い出せる。これはなかなかいいことだ。

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