コスモアイル羽咋

石川県羽咋市にあるコスモアイル羽咋に二月に行ってきた。ここはとても面白いというか、?な博物館だった。この博物館のテーマは宇宙であるが、宇宙の扱い方が普通の博物館とはちょっと違う。実際に使用されたヴォストーク宇宙船や、実験用に作られた初号機のNASAルナ/マーズローバーが展示されている一方で、UFOや宇宙人についての展示もある。

なぜそのような真面目な展示とUFOのような眉唾な内容とが混在しているのかというと、羽咋市は「UFOの町」として町おこしをしようとしたからだ。

羽咋市にはそうはちぼん伝説というものが残っている。それは、江戸時代にそうはちぼんが眉丈山の中腹を夜な夜な怪火を発して飛んでいたというもの。そうはちぼんとはシンバルのような仏具で、写真は以下の通り。

形がUFOみたいでしょう。だから「この町にはかつてUFOが飛んでいた」かもしれないことをネタに町おこしをし、ついにはコスモアイル羽咋を作ったのだそうだ。

ほかにも眉丈山の近くでは「ナベが降ってきて人をさらう」という神隠し伝説が残っていたり、羽咋市の正覚院というお寺には神力自在に飛ぶ物体について書かれた「気多古縁起」という文書があるそうだ。

だから博物館の形はさながら大きなUFOのよう。

展示物は外にあるマーキュリー・レッドストーン・ロケットや、それで打ち上げられたマーキュリー宇宙カプセル(実物と同じ素材のレプリカ)、アポロ司令船(銀のシールドは本物)、アポロ月面着陸船など、興味深いものが置かれている。

このあたりまでは非常に真面目な展示だが、以下のものを見たときはびっくり。実際に宇宙開発に使用された展示物と、解体途中という宇宙人の模型とが同じフロアに共存しているのです。

思わず笑ってしまいました。

大人にとってはいい笑い話になるかもしれませんが、子どもにとっての影響はどんなものなのでしょう? まあ、大人になれば区別がつくでしょうけど。

確かに面白いのだけど、ねぇ。。。 まあ、いいか。ちょっとトンデモ要素が混ざっていると言うことで。

ここではtwitterを利用したキャンペーンをおこなっている。twitterのタイムラインで「コスモアイル羽咋なう」と表示した携帯を受付に提示すると、入場料が割引される。行く人はやってみてください。案内はこちらに。

コスモアイル羽咋HP

SMOKE

打ち合わせが続き、昼食を食べられなかった僕は、表参道の交差点から原宿に向かって歩いていった。

着飾った若者達が意気揚々と歩いている。道の両側にはブランドショップが建ち並び、羽振りのいい人達が買い物に入る。カワイ楽器店には派手なペイントのピアノが飾られていた。道の向こう側に表参道ヒルズを眺め、タグホイヤーのショップを過ぎるとGYREというビルがある。一階にはシャネルとブルガリが入っている豪勢なビルだ。

現代風にライティングされた廊下を突き当たりまで歩き、ガラス張りのエレベーターで4階に上がる。降りて左に歩くと『ほの字』という居酒屋。その先に『SMOKE』がある。ここはかつて紅龍さんに連れてきてもらったお店だ。

入ると右手にカウンターがあり、その上にヒュミドールが置いてある。

「いらっしゃいませ」

カウンターの入口に立っていたウェイトレスが声をかけてくれる。

「ひとりなんだけど」

「お好きな席にどうぞ」

見回すとどの席もテーブルにソファが置かれている。ソファもテーブルもみなまちまちだ。大きなテーブルとゆったりとしたソファーばかりで、一人や二人用の席がなかった。仕方ないので比較的小さなテーブルのある五、六人は座れる場所に落ち着いた。

出されたメニューを見ると飲み物とデザートしかない。

「何か食べるものはありませんか?」

「ランチの時間は終わってしまったんですよ」

「そうか」と頭の中で思った。前回紅龍さんに連れてきてもらったのは確かにランチの時間だった。いまはPM4:30。昼食を抜いていたので僕は腹ぺこだ。デザートだけでは収まらない。「ごめん」と言って店を出ようかとも考えた。

ウェイトレスが笑顔でやってきて「ランチをやってもらえるそうです。今日のスペシャルはチキンのウィーン風ロースト、パスタは白身魚のジェノベーゼソースです」と言った。

「じゃあ、スペシャルで」

ウェイトレスは下がっていった。

この店に来たのは葉巻を吸いたかったからだ。打ち合わせで課題をもらったが、どうまとめていいかわからなかった。カウンターに行き、スリムコロナを買う。「WILLEMII」というシガーだ。買うとウェイトレスが「マッチを切らしているのでライターでもいいですか?」という。「いいですよ」と大学名の入った100円ライターを手渡された。

席に戻りシガーに火を点ける。

レストランの片隅で古着屋さんがバザーをしていた。人が入ってきては何着かの服を見て出て行く。古着屋は青いボーダーのTシャツを着ていた。歩くのが楽しくてしようがない頃の子どもが、手を開いて店内を走り回っている。お母さんは古着に夢中だ。シガーの煙がその子に届かないかちょっと心配した。

お気に入りの緑のノートブックに企画の概要を書く。ふつふつと打ち合わせの時には見えなかった企画の背景が立ちあがってきた。

「なるほど」

そう思って顔を上げると、眼鏡に無精ひげのウェイターがひと皿に盛られたランチを持って立っていた。

「チキンのウィーン風ローストです」

マスタードのようなソースの載ったチキンに野菜が添えられ、脇にライスが盛られていた。

さっそくフォークで食べる。チキンは皮の部分がカリカリで肉が軟らかくとてもうまい。あっというまに平らげた。

食後に飲み物を頼もうとしてウェイトレスを呼んだ。

「ランチドリンクはここにあるものがどれも300円です」

彼女はメニューをゆびさした。

ランチ時間外に料理してもらい、しかもドリンクまでセット価格で頼んでは悪いと思い、アイリッシュコーヒーを頼んだ。

フルートグラスに入ってきたアイリッシュコーヒーはウィスキーが強く苦かった。それがシガーに合う。

会計をして出て行くとき、「ランチ出してくれてありがとう」というと、ウェイトレスはこぼれそうな笑顔を見せてくれた。

SMOKE BAR & GRILL

東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE4F

03-5468-6449

www.smoke.co.jp

珈琲豆おこのみばいせん処

先日、用があって永福町に行った。約束より15分ほど早く着いてしまったので駅のそばをフラフラと歩いていると『珈琲豆おこのみばいせん処』というお店を見つけた。最近江古田にあった焙煎してくれるコーヒー屋さんがなくなったので、焙煎したての珈琲をずっと飲みたいなと思っていたのだ。

珈琲が好きな人なら、挽きたての珈琲か否かで味が違うのはよく知っているだろう。挽きたての珈琲は香りの立ち方が違う。もちろん状態にもよるが、挽きたての豆だと2〜3倍の香りが立つと僕は思っている。だから珈琲は必ず豆で買い、うちで挽いてから淹れる。この違いは恐らく誰にとっても明らかだろう。しかし、焙煎したてかどうかは、これほど明らかな違いを珈琲の味にもたらすわけではない。一番の違いは気持ちへの作用ではないかと思う。

焙煎したての珈琲の何がいいかというと、珈琲を淹れるときにそれがわかる。僕はたいていドリップで淹れるのだが、ドリップでお湯を落としたときに珈琲豆が豊かに泡立つ。焙煎してしばらくたってからの豆だと、少しは泡立つかもしれないが、焙煎したての珈琲の泡立ちにはまったくかなわない。焙煎したての珈琲の泡立ちは、その泡がギネスビールのようにしっとりとふっくらとしたものになる。この様を見て「うまそう」と思ってしまうのだ。そして、なぜ泡立つかと言えば、豆に含まれた香りなどを含む揮発成分が、まだたくさん残っている証拠だと思うのだ。

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