都議のヤジで知ったこと

都議会議員のヤジの件があちこちで話題になっていますね。先日、その話をきっかけにある女性からこんな話を聞きました。

彼女のことを仮にAさんと呼びましょう。Aさんはある有名な大手会社に勤務しています。そこでとても悔しい思いをしているとのこと。どんな悔しい思いをしているのか。

「産休を取った人の仕事が全部わたしのところにやってくる」

そこで上司に文句を言うと、「それはマタハラだよ」と言って取り合ってもらえない。

どういうことかわかりますか?

「マタハラ」は「マタニティ・ハラスメント」。たとえば産休を取ろうとする人に「この忙しいのに休みを取る気か」などと言ってしまうことを指します。これは明らかに問題です。そんなことを言われてしまうと産休が取れなくなります。会社によってはひどいマタハラで、妊娠するとやめなければならないところもあるそうです。だから「マタハラ」はいけないことだとされています。Aさんが悔しいのは、「マタハラ」とは関係ないことを主張しているのに、「マタハラ」にされてしまうことです。

産休を取った人の仕事はうまく振り分けられなければなりません。すでに一人前の仕事をしている人のところに、産休した人の分の仕事が全部来たらどうなるでしょう? そのことに上司が対処せず、二人分の仕事をしている人がそのことを訴えると「それはマタハラだよ」と言って取り合ってくれないのだそうです。こんなやりとりがあったそうです。

「産休したBさんの仕事が全部わたしに来ているんですけど、ほかの人に分けてもらえませんか?」

「何を言っているんだ。産休は権利なんだよ。それを否定するのは会社としては問題なんだ。Bさんにそんなこと言えるのか?」

「Bさんが問題なんじゃありません。Bさんの仕事が分配できないことが問題なんです」

「じゃあ誰にやってもらうんだい?」

「誰でもできる人にお願いしてください」

「その仕事知っているのは君しかいないだろう。やっかいな仕事をほかにまわしたら能率が落ちるんだよ」

「わたしはパンクしそうです。残業しても終わりません」

「だから、そんなことを言いだしたら、他の人も産休が取れなくなっちゃうだろう。君が我慢するしかないんだから、がんばりなさい」

しかし、これはあまり特殊なケースではないのかもしれません。先日ニュースを聞いていたら、世界経済フォーラムが発行しているジェンダー・ギャップ指数というのが、136ヶ国中、日本は105位なのだそうです。なんでそんなに低いんだろう?と思っていましたけど、こういうところにジェンダーのギャップは隠されているのかもしれません。いろんな悩みがあると思いますけど、問題があったら「ここが問題」と指摘して、解消されるように訴えましょう。そうでないと、ただ黙って苦労を背負い込むことになります。自分が問題に触れたくないために、マタハラに問題をすり替えるような最低な上司は、きちんとお灸を据えて上げましょう。それがあなたの会社のためです。さらに言えば、上司がきちんと対応してないがために、会社としては意図していないマタハラが生み出されているかもしれません。これが一流会社であれば、かなりの損失です。笑いごとではないですね。

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