宇多津の未来は幸せか? その3

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メインパーソナリティ
小林弘幸氏
順天堂大学医学研究科大学院を卒業、ロンドン大学付属英国王立小児病院、トリニティ大学付属小児研究センター、アイルランド国立小児病院などに勤務し、現在では順天堂大学病院管理学研究室と総合診療科の教授を併任、順天堂医療安全対策室の室長でもある。日本小児外科学会指導医、日本体育協会の公認スポーツドクターでもある。日本テレビ系列の「世界一受けたい授業」やTBS系列「テレビ未来遺産・命の輝きスペシャル」のナビゲーターなど数多くのテレビ番組に出演。書籍では『自律神経を整える。ストレスに勝つ!』や『ストレスが消える「しない」健康法』など多数。最新刊は『自律神経を整える小林式3年日記』。

モデレーター
尾中謙文氏
認知科学者、内閣府や総務省、ブラジル大統領、フランス大統領、シンガポール政府の戦略プランナーとして活躍。アートディレクター、作曲家、キャスターなども勤める。北京オリンピックの招致活動など、国内外で高い評価を受けている。コロンビア大学客員教授としても活躍している。

尾中 みなさんこんにちは。小林先生、よろしくお願いいたします。

小林 よろしくお願いいたします。

尾中 僕は脳科学の立場から、先生はドクターの立場からみなさんがどんな方向性で暮らしていけば幸せになるのかをお話しさせていただきたいと思います。まずは先生の一番のテーマである自律神経のところをですね。今日いらしているみなさんは自律神経いいと思いますが、お話ししていただけますか?

小林 今朝、高松空港に着いて、そこから車で来たんですけど、あまりこちらに住んでいる方には自律神経のお話しは必要ないと思いますね。私の順天堂というのは東京の皇居から500mくらいのところにありまして、日本で一番外来患者の多い病院なんですね。1日5,000人です。年間の手術件数は15,000件でして、これも日本一なんです。最近のトピックとしては天野篤先生ですね、天皇陛下の手術をした。私は天野先生とは同じ埼玉出身なんですけど、私の五年先輩です。病院があるのが御茶の水という場所なんですが、そこに五つの大学病院がありますから、医者にとっては殺伐としていて自律神経も乱れてしまいそうなんですけど、こちらに来ると整ってしまいますね。だからあまり自律神経の話がみなさんのお役に立つかどうかはわからないですけど、ただ重要なのはもっとよくすることができると思うんですよ。それが重要ですよね。

尾中 みなさん御存知のように、やる気が出るときにドーパミンという物質が出てくるのですが、やる気の出てくるホルモンが出てくるとからだのなかはどんな感じになりますか?

健康とはなにか?
小林 とにかく、みなさんに健康とはなんですか?と聞かれると何かとにかく答えますけど、これは実は医者もわかってないんですね。まともな答えができる人ってそういないんですよ。みなさんのからだのなかには60兆個の細胞がある。その60兆個の細胞に、どれだけ質のいい血液を流して上げられるかというのがすべてなんです。それが健康かどうかなんです。さきほどドーパミンの話が出ましたけど、何がやる気を起こすのかというと、みなさんもそうだと思うんですけど、朝起きて外に出て、さあ元気にやっていこうとか、知らないところに足を運ぼうかとかいうそういう気持ちになってくると思いますけど、そういうときにはドーパミンは出ているんですね。そういうとき何が違うのかというと血液の流れが違うんですね。たとえば雨なんかが降っていたとすると、暗くて家から出たくないと思ったりするときには、やっぱり血液の流れがよくないです。

尾中 新しいことを考えたり、新しいことをやるときには血流が急激に活発化して、脳の糖とヘモグロビンの代謝が良くなるので、そのときに脳が記憶していくというのが一般的に言われていますけど、記憶をするというのが脳にとっては大切で、いろんなことをやろうとか、考えたりしようとか、ものを作ったりしようとかいうときには何かを記憶して、それから始めなければいけないんですよね。記憶をすることでそのあとの判断や意志決定をやっているというんですけど、からだがやる気を起こしているときってどういうふうに、スポーツ選手と普通の人と、からだのなかは違うんでしょうか?

意識することしないこと
小林 それは全部一緒なんですけど、いまの話で大切なのは意識しているかどうかなんですよ。たとえば買い物でも、今日は豆腐を買いに行くんだと言っている買い物と、なんだかわからないけどスーパーに行こうかという買い物では全然違うんですよ。たとえばみなさんこの会場で緑ってどれですかって聞くと、椅子が緑だっていうんですよ。でも言われるまで椅子が緑だなんて誰も意識してないです。意識ってそういうものなんですね。だから自分が妊娠しているとやけに妊娠している人を見つけるんですよ。バスに乗っても、電車に乗っても。ところが、意識してないと妊娠している人なんて目にも入らないです。そこが重要なんです。意識をして物事をするのか、意識しないでやっているのかで大きな差が出るんです。意識して行動するのが大きいと思います。たとえば鯛を釣りに行こうと思えばここ、ザリガニを釣ろうと思えばここと考えるでしょう。意識しないとどこでもいいやってね、どこいくか決まらないでしょう。何するかを決めることが一番やる気を出すのに必要ですよね。

尾中 たとえばゴルフをやるときに普通の人がやるゴルフとプロの方のゴルフではどのように違うんでしょうか?

小林 ゴルフはパーでやるのが基本ですが、プロではそれより一打少なくするのが基本なんですね。アマチュアはパーでいければ大儲け、一打や二打多くてもまあいいかっていう感覚ですよね。そこが違う。その二打違うところが日々の過ごし方に出てくるんですね。

血流の良さが調子の良さ
尾中 からだのなかの血流は調子がいいと違うんですか?

小林 調子のいいときって、みなさんそうだと思うんですけど、仕事でもプライベートでも順調にいきますでしょう? 何か無駄がないんですね。一日過ごしていて。ダメなときは何やってもダメなんですね。たとえば一番わかりやすいのは、家を出るときにね、何も忘れ物をしないで出ていくときと、家の玄関を出るときに鍵を忘れたって思うとね、財布も忘れた、携帯も忘れたってことがあるでしょう? なかには携帯かけながらどこだって探す人いるでしょう? そういうことが起きるときと、起きないとき。それはオリンピック選手でもプロのスポーツ選手にでもあるんです。それは血流だけの問題なんですよ。頭に血液が流れているときは、前もって頭の中で動きまで決まっているんですよ。ところが頭に血流が行ってないときは結局はてんでバラバラなんですね。だからおかしくなってしまう。血流の良し悪しで成功するかどうかが決まるってことがよくあると思うんですね。

自律神経と血流
尾中 よく右脳と左脳と言いますよね。右脳っていうのは「感情」を司るところ、左脳っていうのは「論理性」を司るところとよく言われますけど、これは脳科学的にはあまり正しくないんですね。右脳と左脳での信号のやりとりは一秒に100回くらいおこなわれていて、どちらで判断しているのかよくわからないんですね。ところが驚くこと、びっくりしたり、素晴らしいって感動したりすると脳の中の血流はすごく良くなるんですけど、これはどういうことでしょうか?

小林 自律神経の問題だと思いますね。血流をよくするというのは自律神経が反映してましてね、実際自律神経って何かっていうと、みなさん一番わかりやすいのは、たとえば昔を思い出して下さい。いまじゃないですよ。素敵な男性が現れるとどきどきするでしょう? いまはどうか知りませんけれど。そういうどきどきするとか、ふられたりするとショックでがっくり来るとか、あれが自律神経なんですよ。みなさん座っていらっしゃいますけど、座っている中でも常に血液が動いていてくれているんです。すごくいいときは動いてくれるんですけど、ダメなときは動かなくなる。頭の血液ってそこに行くかどうかがとても大事で、たとえば怒ったりするとダメなんですよ。怒ると頭が痛くなったり、倒れたりする人がいますね。これは怒ると血流が交感神経、車でいうとアクセルをですね全開にしてブレーキがきかない。そこで細い血管の血流がキュッと締まっちゃうんですね。それで頭に血が行かなくなって倒れてしまう。自律神経がコントロールできないと、脳での血流がトラブルを起こすんですね。

ユダヤ人の秘密
尾中 ちょっと話がそれるんですけど、僕は普段ニューヨークにいるんですが、ニューヨークではメディアはほとんどユダヤ人の方が経営されているんですね。ユダヤ人は日本人の五分の一くらいしか数がいないんですが、それでもハリウッドなんかはほとんどオーナーがユダヤ人ですね。それから男優女優の方もユダヤ人の方が多くてですね、なんでこんなに多いんだろうと思いました。あと金融ですね。銀行とか、証券会社とか、金融関係はほとんどがオーナーがユダヤ人です。なんでこんなにユダヤ人が多いんだろうと思ってユダヤ人の人に聞いてみるとですね、ユダヤ人は5,000年くらい代々受け継げられてきたことがあるというので聞いてみると、三つあると。ひとつは他人を喜ばすこと。目の前の人に喜んでもらうのがとても大切だと。そして二つ目は成功。自分が成功するのはもちろん大切なのですが、目の前に人がいて成功しようとしていたらそれを助けて上げる。それが大切だと。それから冨。お金とか地位とか名誉とかも大切なんですけど、実は心の冨の方が大切で、精神的に豊かになることが大切だと。つまり歓喜・成功・冨ということを5,000年間民族の中で実践してきているんですよっていうんですけど、これは物理的な話ではなくて、心の中とか、頭の中の話なんですけど、こういうことでも健康になるんでしょうか?

小林 尾中先生の話に付け加えますとね、ユダヤ人はこういう言い方をするんですよ。たとえば雨が降っているとしますでしょう? 雨が降っていたらたいていは「ああ憂鬱だな」って思うじゃないですか。ところがユダヤ人は違うんですよ。「雨は降っているけどいい天気だな」っていうんですよ。「大雨だけどいい天気だ」「大雪だけどいい天気だ」っていうふうに、最後に「いい天気だ」っていうんですよ。ということは、どんなに雨が降っていようが風が吹いていようが「よい天気だ」って言葉を最後に持ってくると、みんな元気になってくるんですよ。いい天気に見えてくるんです。そこがユダヤの人たちが昔からよく言われていることなんですね。迫害されたりもしましたけどそれでずっと生き延びてきたのは、そういう感覚を持っているからなんですよ。だから常にポジティブに持ってくる。いまの環境をネガティブに考えない。それで血流が良くなるんですね。ひとのことを陥れようとか、人のことをさげすんだりですね、馬鹿にしていると、自分の血流が悪くなるんですね。そういう意味では尾中先生がおっしゃったように、人を助ける、それから支える。人の幸せを喜ぶことができるかどうかが一番重要なことだと思うんですね。

尾中 なんでユダヤ人の話をしたかというと、この地は空海が生まれた土地ですね。空海のおじさんというのが、家庭教師なんですけど、子供の頃から中国語を教えたり、諸外国の言葉を一生懸命教えて、空海は外国に行く前にもうペラペラだったわけですね。当時景教というネストリウス派のキリスト教がかなり入ってきていて、景教をやっていた有名人は聖徳太子の家庭教師をしていた人がユダヤ人だったようです。当時は渡来人と言われていましたけど、この渡来人の力によって空海は小さい頃から身に付けていたんですね。日本人はよく中国人や韓国人についていろんなことを言いますが、すでに1200年前や、さらに2000年前にさかのぼってでもいろんな国の人たちが協力し合って、いろんなものを生み出しているんです。こういう協力し合う、分かち合うときってどういうことなんでしょう?

笑いの効用
小林 みなさんもよく感じられると思うんですけど、家の中で笑いが起きる空間というのはものすごく心地いいと思いますね。みなさん綾小路きみまろさん御存知だと思います。若い人は知らなかったりしますけど、みなさんは御存知でしょう? あの方の舞台を一度見に行ってくださいって言われて見に行ったんですよ。すごいですね。彼が出てくる前から全員笑っているんですよ。1000人くらいが。あれ多分家を出てきたときから笑っているんですよ。(笑) 間違いなくね。で、出てきた瞬間から大爆笑ですよ。まだしゃべってないんですよ。しゃべり出すとずっと一時間笑いっぱなしですよ。終わりますでしょう。全員笑って帰っていくんですよ。あれ家に帰っても笑っているんですね。だからこういう笑いがからだを良くしますよね。一番良く言われているのはガンですね。一日誰でも5,000個のガン細胞ができているんです。それがガンにならないのはナチュラルキラーセルというリンパ球の一種が出てきて、ガン細胞を食べていてくれるんですね。それに一番効果があるのが笑いだと言われていますね。笑いだとか、人を励ますとか、人に尽くすことをすると自然にからだはポジティブになっていくんですね。怒るとか、家庭の中で不機嫌な人が一人いると伝染します。あくびするとうつるでしょう? あれと一緒です。そういう環境というのが、感情の起伏に、血流に影響を与えるんです。

若い人はなぜキレるのか
尾中 いま若い方達の事件がとても多くてですね。昔だったらそんなことくらいで殺人は起きないだろう、喧嘩は起きないだろうというようなことで、平気で簡単なことで人を殺してしまうと。最近ではたとえば町歩きながらスマートフォンをいじっている人たちとかですね、しょっちゅうゲームをして外に出ない人たちとか、若い方達はコミュニケーションが非常に取りづらい状況になっているわけですね。このような方達と話すとなんとかコミュニケーションをとって、お互いの痛みとか、お互いの幸せな部分を共有していくっていうことが大切だと思うんですけど、会話を中心に持っていくって言うのは、どうしたらいいんですかね?

小林 いまどのようなことが起きているのかというと、小学生の暴力沙汰が10年前の6倍に増えているんですね。私は埼玉出身なんですけど、校内暴力の発祥の地なんです。すごかったですよ。中学生の時代、一時間も授業を受けていませんから。授業になりませんからね。当時東京から埼玉の方に団地がどんどんできていって、東京から引っ越していくと授業にならないわけですよ。君たちうるさいよなんて言ったら次の日焼き入れですからね。そんな感じで全然授業にならないんですよ。だから僕は朝から晩まで野球ばっかりやっていましたね。中学ですよ。朝の6時から始まって、午前中ずっと練習です。授業がないんですから。お昼休みになってそれが終わるとまた野球です。どっかからプロのコーチみたいな人が来てね、だから埼玉で一番強いんですよ。授業ないですからね。そういうときのそういう子達のいじめとかと、いまのいじめは質が違いますね。当時のいじめっ子やいじめられっ子はいまでは同窓会って集まれば仲良くやっているわけですよ。
ところがね、いまの子供たちはそういう次元じゃないんです。コミュニケーションがないからどうにもならない。みなさんも多分若い子に話しかけようとするとみんな携帯の方見てポチポチやっているわけでしょう? まともに目と目を向き合って話すという機会が一切なくなったんですね。だからみなさんイライラするんですよ。話そうとすると携帯をいじっている。電車に乗ればみんな下向いて携帯やっている。それでイラッとするとそれでもうコミュニケーションは駄目になっちゃうんですね。だから携帯ができてから、かなり生き方などにも影響があって、健康な方向にいったかというと、全然健康な方向ではなくて、完全に悪化してますね。で、どこが悪化するのかというと、メンタルですね。だから鬱病になったり自殺しちゃったりする若者が増えるのもうなずける話なんですね。

感謝するとなぜいいのか?
尾中 ニューヨークのナスダックという市場で上場している社長たちのお話しに共通していることは、キリスト教系の社長が多いんですけど、夢と感動と感謝を持てばどんな困難も乗り越えられるって言うんですね。夢という困難があっても、遠くの目標を持っていると突然開けるときがある。あるいはどんなことにも「ありがとう」と感謝をしたりすることで困難があまり困難として感じられないというんですけど、そういうときって身体の中ではどんなことが起きているんでしょうね?

小林 感謝するとか、ありがとうということは、とても簡単ですね。よく聞かれるのは一言でからだの循環をよくするにはどうしたらいいですかという質問ですが、簡単なんです。何かやってくれる人、たとえばお店でお茶を出してくれたら「ありがとうございます」とか、そういうありがとうを一言言うだけで、お互い血流がものすごくよくなる。それにまだ多くの人は気がついてないですね。みなさんがこういうことをしてもらうと気持ちいいということがあるでしょう? たとえばドアを開けたときに人とぶつかりそうになったときなど、「お先にどうぞ」ってやられると非常に気持ちよくなるわけですよ。そうすると人って言うのは面白くてですね。次は自分がやって上げようって気になるんですね。それが伝染していくといいんですけどね、いまはほとんど我関せずって感じの人が多いですよね。ありがとうも少なくなってきています。でも面白い話、医学部って言うのは最近挨拶ができないからって一年生に接遇の授業が始まったわけですね。接遇ですよ、「おはよう」といいましょうとかね、「ありがとう」と言いましょうなんてね、そういう授業を医学部でやるんですよ。それもいいなあと思うんです。それをはじめて知ったのは、僕は大学時代ラグビーをしていたんですけど、合宿が習志野の空挺団のところだったんです。自衛隊だったんです。でね、ここに行ったときにはじめて礼儀とか挨拶というのはこういうものなんだというものを教えてもらいましたね。
なぜ自衛隊の習志野空挺団でやったかということなんですけどね、土地が広いです。JALの飛行機が落ちたときに行ったのが習志野の空挺団ですよ。すごかったですよ。練習明けで、空をヘリコプターが何機も何機も飛んで行ったんですね。礼儀や挨拶をどう教えるかというとね、まずはベッドメイキングといって、きれいにベッドをしなければならない。ホテルのベッドのようにするわけですよ。ところがあまりうまくできない人がいますよね。ひとりがダメだと腕立て伏せ50回やらされるわけですよ。でね、だいたい4,5人ダメなんですね。そうすると200回やるわけですよ。朝から。そういうのから始まって、風呂に行くのにも食堂に行くのにも行進していくんですね。「目標、風呂!」とか言ってね、「1,2,1,2,」って行くんですよ。なんで医学部に入ってこんなことしなければならないんだろうって思ってましたけどね。でもね、あれが重要なんですよ、実は。この前ひさびさにですね、横須賀に海軍基地がありますね。あそこで自衛隊のみなさんに講演をすることがありましてね。ひさびさに気持ちよかったですね。敬礼とか挨拶で人をこれだけ気持ちよくするのかというのがよくわかりました。いまの医者とか、看護士もそうですけどね、自衛隊に一ヶ月くらいいるといいですね。まず礼儀から入らないと、形から入って魂入れろって言うんです。形ができてないと魂なんか入りはしないんですよ。ちんたらしたかっこうして粋な話をしろって言っても無理な話で、そういうことがいかに大事かということを教えておかないとね、いけないんじゃないかと教育する立場としてはそう思いますね。

尾中 話をこの地に戻しますと、空海という日本を代表する密教の大天才がこの地で生まれて、大学入ると中退して、山の中に籠もって苦労して学ぶわけですね。それで遣唐使の中に入って中国に行く。なぜ空海が遣唐使の中に入れたのか、いまだにわかってないらしいですけど、海外に新しい学習意欲を持って学びに行くんですね。この遣唐使の船は四隻のうち二隻が沈没しちゃうわけです。空海は一隻目に乗っていて、三隻目と四隻目が沈んじゃうわけです。二隻目に最澄が乗っていて、この人も日本を牽引する仏教の大天才ですけども、彼らはその地について長官宛てに手紙を出す。空海は文章の達人で、しかも劇的な文章を書いて、もちろん書も天才的ですけど、当時の唐の長安に呼ばれて行きまして、そこで恵果という最高峰にいた和尚に会って、わずか四ヶ月のあいだに阿闍梨という最高位につくんですね。
この間、金剛界と胎蔵界という曼陀羅を会得するんですけど、曼陀羅はみなさんよく御存知だと思うんですけど、如来とか菩薩の絵が描いてあるんですけど、これは脳の中と全く同じなんです。毎日脳を細かく観察したり分析したりするんですけど、曼陀羅には様々な仏像があるわけです。で、ちょっとずつ違うわけですね。これをどれくらい正確にできているかっていうことが、認知をするって言うことですから、みなさんここに来ている方は認知症が始まったりはしてないでしょうけど、この微妙な違いを反復するのですけど、脳の中ではこの微妙な違いを反復しながら真意や真実、事実を探っているわけですね。こういうことを脳の中ではやっている。これをやっているとですね、記憶力がめちゃくちゃよくなります。小林先生もよく御存知の日野原重明先生にお話しをおうかがいしたところ、毎日あれやってこれやって、今日は何をしなければならないかという目標がある。寝る寸前までそれができたかどうだか追っかけていると。103歳の日野原さんが自分の脳をコントロールしているというふうに、思うんですけど、先生はどうお考えになりますか?

脳にいい日記の書き方
小林 さっきお話ししたように、意識はとても重要なところでして、よく最近言うんですけどね。日記を書いた方がいいという話をするんですよ。日記も長く書く必要はないんですね。三行書けばいいんです。一行目に書くのはその日一番嫌だったこととか、失敗したこと。二行目に書くことが一番成功したこと、感動したことですね。三行目に書くのは二日前の夕飯のメニューなんです。これってすごく大切で、いまの四十代五十代の人に二日前のメニューは何でしたって聞いて、全部パッと言える人なんて一人もいないです。ところがこれも恐ろしいことですけど、二日前のメニューを覚えておく訓練をしておきますと今度は四日前、一週間前とかも全部言えるようになるんです。よく認知症になりたくなければこうしたらいいとかあれを食べろとか言いますけど、だいたいお金を払うようなのは気をつけた方がいいですよ。何かおかしいですよ。お金払って何か食べれば認知症にならないなんて、そうはならないですよ。そうではなくて、やっぱりね、思い出す訓練ってすごい重要なんですよ。二日前ができるようになると一週間前のメニューがわかり、それができると三日前四日前もぼうっと思い出すようになるんです。それを続けて一年たつと一週間のメニュー全部言えるようになります。それ以外に認知症の予防をするのは無理だと思います。食べ物なんてどうコントロールしてもある程度決まっていますし、思い出す訓練をしているかどうか、これが大事です。

長生きするためにはどうしたらいいのか
尾中 今日のテーマの長生きをするとどんな未来が訪れるかということなんですが、いまいろいろと話しているとですね、いいことも悪いことも脳には栄養素になっていいんですね。できるだけ細かいことに喜びを覚え人生を味わい、それらを記憶する。いいことと悪いことの落差があるときほど幸せを感じられるようになっています。脳というのは悪いことを都合良く消してしまいますが、これは認知症になりやすいんですね。いいことも悪いことも自分の中にあって、それを統合してみるという力が生まれれば生まれるほど新しいことをやりたくなるんです。このようなことを後半お話しさせていただきたいなと思います。長生きするためにはどうしたらいいでしょうか?

小林 長生きというのは看護の人に迷惑かけて長生きするのが長生きではないと思うんですよ。いかに独立してみなさんの力で日々やっていけるかどうかが一番重要なことで、そこのところが単なる長寿と本当の長寿の違うところなんですね。やっぱりみなさんの目指すところは、誰にも迷惑をかけずに自分で独立して生きて行くにはどうしたらいいかというところを目指すというのが一番重要で、そこでは、ふたつしかないんですよ。ひとつは脳の血流をどうやって安定させていくのかと言うことと、あとは筋力です。こうやって見てみると案外東京の人の方が筋力は衰えないかもしれない。なぜかというとあまりにも車社会だからですね。こちらでは車がないと生きていけない。東京などは車が邪魔なんですね。多過ぎちゃってですね。電車やバスに乗る。だから歩く習慣がどうしてもつく。だからこちらのみなさんはどうやって筋力を衰えさせないかと言うことと、あとは血流をどうやってよくするかと言うことだと思うんですね。

尾中 脳科学の立場からいうとですね、誠実な心や深く信じる心というのはとても大切で、誠実さというのはコミュニケーションのなかにあるんですね。嫌な相手を避けないで、嫌な相手とも仲良くやりながら何かいい点を見出していこうと言うところですね。僕は国連の中のコンサルをやりながらですね、紛争解決をいくつかやって来たわけですが、戦争が起こるときっていうのはほとんどリーダー同士が互いの利害だけでやっているんですね。巻き込まれるのは国民ですね。じゃあどうしたらいいかというと、どういう立場の人とでも仲良くしていき、そして話し合っていく。人間ですからいいとこも悪いところもあるわけですね。そのコミュニケーションを避けるのはよくない。若い人たちがゲームやったり、スマートフォンをやったり、ラインをやったりしてずっとつながり続ける。つながり続ければいいじゃないかと思うんですけど、デジタルのコミュニケーションはこっちの表情が伝わりませんから、都合のいい解釈で相手を見る。
実際のコミュニケーションの中では様々な負荷や因子があって、嫌だなと思うことも、いいなと思うことも、常に脳がそれを察知してその違いを自分のなかで分析して記憶していきながら、相手の気分を害さないように顔の表情を整えたり、言うことを考えたりします。それでも嫌だなって思うちょっと緊張したテンションを常に自分で持ち続けるっていうことも大切で、そういうことを感じることで、自分と相手の違いを意識する。デジタルのコミュニケーションだと、そういうことを多少は考えますけど、即座に反応する必要はない。だから「しょうがねぇなぁ」って顔をしながら文字では「素敵」なんて書いていたりする。瞬時に違いを認めた上で相手の良さを認めて上げ、それを表情に出したり、言葉にしたりすることはとても大切です。それともうひとつは深く信じる心と言うんですかね、この街でやっていく人は、この街で長くやっていくためにはどうしたらいいのかということを考えますよね。そんなことを考えながら生きていくということが大切なんじゃないかと思います。先生いかがでしょうか?

町おこしのポイント
小林 やっぱりですね、さっきお話ししたように自律神経でもなんでもそうなんですけど伝染するんですよ。岐阜県のある市で、そこは市長が率先して町おこしをしようって言うんですね、何を中心にしてやるかというと、若い人じゃないんですね。その街が成功したひとつの鍵は先輩方ですね。六十五歳以上の高齢の方が中心になって街を元気にするにはみんなの心とからだを元気にしようと、そこがしっかりすると下に降りてくるんです。そこが多分、われわれもそうなんですが、五十を過ぎてくるとそういう人間たちが教えていかなければいけないことだと思うんですね。からださえ健康になればどうにかなります。からだの弱い人だったらどんなに地位があろうがお金があろうがそれでおしまいなんですね。からださえ良ければなんとかなります。だからそこの取り組み方がとても重要で、一番大切なのは五十を超えた人たちがどれだけ下の年代にここの街の良さ、それからここの街をどうやって活性化するかっていうノウハウを伝えようとするかなんです。そういうことを誰が一番わかっているかというと、若い人たちではないですね。往々にしてみなさん逆のほうに行く。若い人ならITを使ってアイデアがあるとかね、そんなもんじゃ人の心は動かないですよ。やっぱりそこは街には街の伝統がありますし、それはそこで生きてきた人たちの歴史がある。そこを無視しては街は長くは続かないですね。そこのところをしっかりやってもらいたいなと思います。

尾中 真言宗に極楽浄土という言葉があってですね、コツコツやっていけばいつかは極楽浄土に住めますよって解釈を与えるんですが、これは権力者が言っていることで、実は空海が伝えたかったことは、人間は生きながらにして即身成仏していると。つまり生きながらにしてもともと心を持っているから、毎日の生活では極楽浄土にいるように、いいことも悪いことも過ごしなさいと言うことだったんです。それが本質じゃないかと思うんですね。常に目の前に起きていることをポジティブにとらえる。いい方向に常にとらえて自分のためにしていくっていうことが脳にはいいことで、あとはどうやってからだを維持していくかっていうところが本来の健康法だということじゃないかなって思うんですけど、先生いかがでしょう?

人は簡単に乱れる
小林 その通りですね。ひとつはみなさんどこでもそうなんですけど、乱すのは簡単なんですね。だけど乱れないようにしようとするとダメなんですよ。ストレスかかるんです。なになにしないようにしようとすると、ストレスがかかっちゃうんですね。逆に人は乱れているものですから、その乱れているところをどうやったら修正できるかっていうことを考えたほうが、人間ってのは楽なんですね。否定ではなくて、肯定で考えるんです。完璧な人間はいませんし、完璧な街というのもありませんから、そのなかでダメなものはダメでいいんです。ただしそこはどうしたらうまくいくかってことを考えることで乗り越えていく。たとえば街がゴミだらけだったとしましょう。ゴミが出ないようにするにはどうしたらいいかを考えるのではなく、ゴミが出ることは認めた上で、出たゴミをどう片付けるかを考えるんです。

尾中 南無阿弥陀仏という言葉がありますけれど、南無というのは帰依するという言葉ですね。昔聖徳太子は「仏法僧帰依」と言って、仏と僧と仏教には頼ってもいいんだと説いたわけです。つまり人間は神道だけやっていると、命令を受けなければなりません。すると誰かに頼りたいって弱い心、悲しい心、寂しい心が生まれてきたときに頼れない。それを頼っていいよって言いだしたのが仏教なんですね。この頼るということもいいと言われているんですね。どういうときに頼るかというと、自分が一番弱っているときに、人に声をかけてもいいわけですね。脳っていうのは頼ることでさらに進化するようになっていまして、頼り続けるのはよくないんですけど、自分でもなんとかする、でも自分ではなんともならないことは誰かに頼ろうと。だから周囲とのコミュニケーションはとても大切なんですね。いろんな人のバイブレーション、影響を受けながら、実は人に影響を与える。だったらいい影響を与え続ける自分になろうというふうにポジティブさを発揮していただくのが脳にとってもっともいい訳ですね。いい影響を受けたら、それをきちっと記憶をして、ほかのひとにいいことされたらいいことして上げよう。いいこと聞いたらいい話をしてみようっていうふうになっていきますよね。いかがでしょうか?

小林 たぶんですね、リカバリーというか、頼る話が出たんですけど、みなさんのなかでもさっきもお話ししたように、すべて科学で解明できるんです。何もかもですよ。たとえば、甲子園の逆転満塁ホームランなんてのもすべて科学で解明できる。たとえばいまの時間帯、二時半なんて最悪ですよ、眠くて。どうにもなりませんよこれ。これ何でだと思います? 理由があるんですよ。みなさんがお昼食べるとしたら最悪の時間なんですよ。僕も吉牛に行くとだめですね。吉牛行ったあとの二時といったら地獄ですよ。なぜかというと、吉牛ってうまいんですよ。だから食べるのが早いんですね。五分くらいで食べちゃいますからね。そうするとみなさんバァッと食べるでしょう。そうすると食べているときに寝る奴はいないんですよ。みんな起きているでしょう食べているときは。あれなぜかというとさっき言ったように車のアクセルを踏んだように交感神経がポーンとあがっているんですよ。ところがね、勢いよく食べるとその上がりが勢いがいいだけに、そのあとリバウンドでブレーキがドーンと上がってくるんですよ。だからあっという間に眠くなるんです。みなさんフランス料理に行って寝る奴いませんよ。あれちんたらちんたら出てくるでしょう。遅いですよね、出てくるのが。だから上がりが弱いんですよ。だから眠くならない。会社の会議も午後に会議をやっている会社にろくなものはないんです。寝てるんですから二時以降はほとんど。午後なんてね、掃除とかね、整理をする時間なんですよ。仕事は昼飯食ったら終わりですから、そこまでなんですよ。だからそういうリカバリーの仕方を考える。たとえば、午後に重要な会議があるなんてことになったら、そこは科学の力に頼るんです。それだったら昼食は軽くしておこうとかね。握り飯一個くらいじゃ眠くなりませんよ。普通にね、二時くらいにグーって寝ている人は昼飯相当食っていますよ。間近いありません。だからそんなもんなんですよ。物事には理由がありますんでね。だけどもそんなかでみなさんね、さっきちょっと言ったでしょう。人は乱れるって。簡単に乱すことができるって。ちょっと実験をやってあげますよ。どうせ眠いですから。ちょっと、そこの司会の方、こっち来て。ねぇ、いい体格してますよ。いくつですかいま?

司会 23です。

小林 23ですよ。ちょっと上がってください。わたし54でしょう、ねぇ。運動なんかやっていました?

司会 剣道を少し。

小林 剣道。すごいですね、この体格。見て下さいよ。人前でどれだけ簡単に乱れるものか見てもらいましょう。いいですか。腕相撲あるでしょう? 強そうですね。この腕見て下さいよ。じゃあここで腕相撲、用意ドンで。

ふたりは腕相撲をする。司会が辛くも勝つ。

小林 強いですよ。でも次は一瞬で秒殺です。見ていて下さい。

小林、司会の手を握って何かする。

小林 いいですか、行きますよ。用意ドン。

小林、勝つ。

リカバリーはどうやってするのか
小林 秒殺ですよ。いいですか。わかりました。親指をこうやって内側に持たれると、それだけで乱れるんですよ。力が入らなくなる。ほかにもね、たとえば、お母さん、長くないね。肝臓ガンだから、こんなところで話し聞いてないで、早く病院行った方がいいから、なんてね、言われるともう乱れちゃうんですよ。だから言葉だけで乱れるし、手をもたれてこんなことされるだけで力はいらなくなって乱されるんです。朝誰か知らない人とぶつかって、「ごめんなさい」なんて言われればいいですけど、黙って行かれたりしたらそれだけで気分悪いですよ。人はだからそうやって乱される環境にあるんです。親指をこう内側に曲げられると自律神経が狂うんですね。みなさんお孫さんいたら、走っているときの親指を見て下さい。もしこうやって親指を握って内側に曲げていたら、それだけでスピードが殺されます。走るときはこう親指を立てておかないとスピードは出ないんです。野球のピッチャーもゴルファーも、親指がたってないと力を出せないんです。だから簡単なんです、人って乱されるのが。だからどうやってリカバリーショットを打つのかっていうことが大切なんです。
よく聞かれるんです。これだけやればからだの血流もよくなるし、脳の血流も良くなるし、そういう魔法のようなノウハウはないですかって。教えますね。特別ですよ。バンザイしてみて下さい。バンザイすると人は耳が腕より後ろに来るんです。肩胛骨を閉めて、腕を後ろにそらせると耳が前にくるでしょう? そうすると人間はこれ以上伸びることができない。このまま横にグッと伸ばしてください。そうするともうこれ以上伸びない。一番このときどこが伸びているかというと、足の先なんです。こんど反対側に伸びて下さい。これを朝やるとからだは即座に起きてしまいます。これを一分もやれば十分です。みなさんラジオ体操とかやってらっしゃいますけど、あれは80年前の体操ですからね。それからアキレス腱を伸ばすのをよく走る前にやりますでしょう。前後に足伸ばして、こんなふうに、ね。これは最悪の運動です。これが一番怪我する原因です。アキレス腱ってこうやって伸ばすときかなくなるんです。伸びちゃって力が入らない。伸びたままになっちゃうんです。だからプロの選手にはいまはこういうことはやらせない。アキレス腱なんて簡単なんです。足首もってプラプラとふって上げればいいんです。これで30秒もやれば全然違う。特別に教えているんですよ。
この前『世界一受けたい授業』をご覧になった方はいらっしゃいますか? 見てないんですか。私が出てたんですよ。一発で自律神経を整える方法があるんです。一発。宇多津まで来ているから教えるんですよ。(笑) 普通ここまで教えないんですよ。これはTFTと言って、Thought Field Treatmentと言って、名前はかっこいいんですけど、タッピングなんですよ。顔を普通に触られてもたいしたことはないですけど、軽く触られるとゾクッとするでしょう? 頭をそんな感じでタッピングしていくんですね。これを寝る前に三分ほどするといいんです。これはイラク戦争に行った兵士たちが帰ってきてPTSDっていう、精神状態がおかしくなる症状になったときこれをやったら画期的に軽減されたんです。だからスポーツ選手はいまこうやってタッピングしているんです。これを一番利用しているのはオバマ大統領です。日本人の政治家ってインタビューされたときに変なことを言ってしまいますよね、すぐ。それが大問題になる。オバマ大統領とか海外の政治家にはあまりそういうのはないんですよ。それはこれを使っているんです。彼はこうやって机にタッピングしているんです。だからとんでもない嫌な質問が来てもうまくかわしているんですよ。それは自律神経が安定しているから。ところが日本の政治家は変な質問が来たらポーンと頭の血流があがってね、自律神経乱されて変なことを言ってしまう。そういうときどうすればいいかって理想なのは日光の猿軍団です。見ざる言わざる聞かざるっているでしょう。あれが究極の生き方です。タッピングして落ち着くんです。そうすると自律神経は整うんですね。

尾中 僕からも脳科学の立場から、脳が溶けない、もっともいい話し方というのをお教えいたします。せっかく宇多津まで来ましたから。五つあります。一つ目はサプライズ。自分が驚いたこと、びっくりしたこと、感動したことを積極的にほかの人に話してください。隠すと脳に良くないんです。びっくりしたとか、こんなの見ちゃったっとか、そういうことを誰かに話してください。二つ目、自分の哲学を誰かに話して上げてください。三番目、インスピレーション、深い気づきを話すこと。今日小林先生の話を聞いてびっくりしたと思ったことがあるでしょう。そういうことを話してください。四つ目がコラボレーション。ちょっとしたいいことを話して上げてください。人と何か一緒にすることは脳にとってとってもいいことなんです。だからちょっといいことは、あそこのスーパー安かったとか、こんな話し聞いて良かったとか、そんなことをぜひ他の人にシェアしてください。それと最後はですね、他の人と自分がどう違うのか。頭がおかしいと言われてもですね、違いがあることが素晴らしいんです。人間ひとりひとり七十億人いてもみんな違うんです。その違いを積極的に話してください。いま目の前にいるあなたとわたし、ここが違うんですよねってことが話し合えることがいいんです。この五つ。これを実行すると人は少しずつ進化します。そしてボケません。ぜひ実行してください。

小林 考えて思い出すっていうのは、意識してやられるといいですね。

尾中 今日は短い時間でしたけど、いかがでしたでしょうか? 長生きをするとどんな未来が訪れるのか、少しは参考になったでしょうか?(拍手)

司会 では、ありがとうございました。

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