地球交響曲(ガイアシンフォニー)について その1

1993年、京都でグローバル・フォーラムという会議がおこなわれた。
グローバル・フォーラムはそのとき3回目の開催で、1回目が1988年4月にイギリスのオックスフォード大学でおこなわれた。
東京でグローバル・フォーラムの事務局をしていた人と知り合い、その写真を見せてもらった。
ゴルバチョフ、マザーテレサ、ダライラマ法王、カール・セーガンなど、見知った顔が並んでいた。世界中の政治、宗教、文化、科学の代表格といえるような人たちが一堂に会し、地球環境についての話し合いをする機会だという。その企画を実現した人は国連の元職員で松村昭雄さん。そんな会議が当時おこなわれていたということを僕は知らなかったので「こんなすごいことする人に一度会ってみたい」とつい言った。
1989年の夏だったと思う。僕の会社のデスクに電話がかかってた来た。受話器を取ると「松村です」という。
「どちらの松村様でしょうか?」
「グローバル・フォーラムの松村です」といわれて、びっくりした。
「日本にいらっしゃるのですか?」
「いまニューオータニにいます。少々ご相談したいことがありまして、お目にかかることはできますか?」
その晩、ニューオータニで会った。そして、京都でおこなわれるグローバル・フォーラムを手伝ってほしいと言われる。

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特定秘密保護法案について僕が思うこと

特定秘密保護法案が2013年12月6日に成立し、同年同月13日に公布された。1年以内に施行されるはずだ。僕はこの法案について賛成か反対かとても微妙だ。この法案をどのように利用するかが大切だから。もし、日本人がみんな互いに信頼し合える間柄ならば、たいして問題にはならない。信頼し合えない間柄なら大変問題だと言うことだ。さて、どちらの立場に立つのか? このことに関して考えるために、少し別のことを考えてから、この問題に戻ってこようと思う。

20年近く前、僕はケニアに行った。一頭の象に会うために。その象の名前はエレナ。ドキュメンタリー映画『地球交響曲(ガイヤシンフォニー)第一番』に登場する象だ。僕はこの象を育てたシェルドリック動物孤児院を舞台として、『ひとりぼっちのケティ』という少女マンガの原作を作った。ストーリーの概要は、動物孤児院の存在を知った日本の女の子キッコが、子象の養い親となり、その子象ケティに会いに行く。そこで密猟の現実に巻き込まれながら、動物を愛するとはどういうことかを学んでいく。このとき、現地の象の密猟について詳しく調べた。そこで僕自身がとても大切なことを学ぶことになった。それは歴史というものの成り立ちだ。

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